はい、colorful beansです。
今回の記事では、中米にフォーカスを当てて記事を書いています。コーヒー生産の国々の中でも、独特な進化(チャレンジ)によって現在の高品質なコーヒー豆を栽培、精製して世界へ流通せていると感じています。
そんな中米のコーヒー沼へご案内しましょう!
中米のコーヒー生産国
- コスタリカ
- エルサルバドル
- グアテマラ
- ホンジュラス
- ニカラグア
- パナマ
- メキシコ(北部は北アメリカに属しますが、南部は中米地域に含まれます)
これらの譲渡は、豊かなコーヒー生産地帯を有しており、それぞれ独自の気候、土壌、品種、生産方法などがあるため、中米コーヒーは多様で独自の味わいを持っています。
コスタリカのハニー精製
ハニー精製とは、コーヒー豆の果肉を一部残して粘液質(ミューシレージ)乾燥させる精製方法です。
ハニー精製では、果肉の残し具合によって、ホワイトハニー、イエローハニー、レッドハニー、ブラックハニーなどの呼び名があります。
ハニー精製は、中米のコスタリカで始まったと言われています。
コスタリカでは、2000年代初頭に水不足が起きたことがきっかけで、水洗式よりも水を節約できるハニー精製が広まりました。
ハニー精製のコーヒー豆は、甘みやフルーティさが強く、酸味や苦味が少ない味わいが特徴です。
*コスタリカについては、別途ブログを掲載しておりますので こちら から
ウォッシュドとは
コーヒー豆の果肉を完全に取り除いてから乾燥させる精製方法です。
この精製方法は、水洗式とも呼ばれます。
水洗式では、コーヒー豆を水に浸して発酵させ、果肉を分解して落とします。
その後、コーヒー豆を水で洗浄し、乾燥させます。
水洗式の利点は、コーヒー豆の味や香りが均一になり、酸味や苦味が強調されることです。
欠点は、水の消費量が多く、環境に負荷がかかることです。
コスタリカでは、1830年頃に国を挙げて大きな水洗式精製工場を作りました。
コスタリカのコーヒー豆は、主に水洗式で精製されています。
ウォッシュドのコーヒー豆は、酸味や苦味が強く、クリーンで爽やかな味わいが特徴です。
グアテマラのダブルウォッシュド精製法
グアテマラのダブルウォッシュド精製法について、調べてみました。
ダブルウォッシュドとは、ウォッシュドプロセスでウォッシングさせたパーチメントコーヒーを一定時間きれいな水に浸けた後に乾燥させるプロセスです。
ダブルウォッシュドは、グアテマラのエル・インヘルト農園などで行われています。
ダブルウォッシュドの目的は、コーヒー豆の表面に残る微生物や酵素を除去し、品質や風味の安定性を高めることです。
ダブルウォッシュドのコーヒー豆は、クリーンでバランスの良い味わいが特徴です。
*ダブルウォッシュドの発祥はケニアとされています
グアテマラのある農場では、水も電気も燃料も使わない自転車脱穀機でコーヒー豆を精製しています。
自転車脱穀機は、人力でペダルをこぎながらコーヒーの果実を脱穀する機械です。
自転車脱穀機は、環境に優しく、コーヒー豆の品質も向上させると言われています。
グアテマラでは、他にも農村開発や教育政策などの分野で日本の技術協力を受けています。
詳細は GOOD COFFEE FARM
パナマ
パナマでは、コーヒーの品種として有名な「パナマ・ゲイシャ」があります。
パナマ・ゲイシャは、高地で栽培されるコーヒーで、花のような香りや甘みが特徴です。
パナマ・ゲイシャの精製法は、ウォッシュド(水洗式)が一般的ですが、ハニー(蜜式)やナチュラル(乾燥式)などの方法も試されています。
パナマのコーヒー栽培の特徴について、調べてみました。
パナマでは、コーヒー豆の80%がアラビカ種で、20%がロブスタ種です。
パナマのコーヒー豆は、栽培されている標高の高さでランク分けがされています。産地の標高が高いほど上質で高級なコーヒー豆として評価されます。
パナマのコーヒー豆の味わいは、酸味がなく、柑橘系やフローラル系の香りとコクがあります。
パナマでは、ゲイシャ種を代表にブルボン種、カトゥアイ種、ティピカ種などを栽培しています。
*別途 パナマ独自の記事も掲載しています。
エルサルバドル 温泉式
エルサルバドルでは、コーヒー豆の栽培には高品質なアラビカ種が主に使われています。
エルサルバドルのコーヒー豆は、標高や品種によって等級が分けられています。最高級のSHG(ストリクトリー・ハード・ビーン)は、標高1200m以上の高地で栽培されたものです。
エルサルバドルのコーヒー豆の精製方法は、大半が水洗式ですが、ハニープロセスや温泉式という独自の方法もあります。
温泉式は、火山性の温泉水で洗浄する方法で、コーヒー豆にミネラルが含まれるようになります。
温泉水にはミネラルが豊富に含まれており、コーヒー豆にもミネラルが移行することで、コーヒーの風味や香りが向上します。
温泉式で精製されたコーヒー豆は、エルサルバドルのみならず、日本でも販売されています。
例えば、群馬県伊香保温泉の「TO BE KOFFEE」では、伊香保温泉の源泉水で洗浄したコーヒー豆を自家焙煎して販売しています。
また、愛媛県今治市の「珈琲道場」では、道後温泉の源泉水で洗浄したコーヒー豆を自家焙煎して提供しています。
その他の国々
メキシコでは、国土のほとんどが標高1,000m以上で、コーヒー豆の生産量の70%が海抜400〜900mで栽培されています。
メキシコで栽培されているコーヒー豆の品種は、アラビカ種とティピカ種が97%を占めており、ロブスタ種はほとんどありません。
メキシコのコーヒー豆の精製方法は、ウォッシュド(水洗式)が主流ですが、ナチュラル、セミウォッシュド、ハニープロセスなども行われています。
ホンジュラスでは、コパン地域、オパランカ地域、モンテシージョス地域などの高地でコーヒーが栽培されています。
ホンジュラスのコーヒー豆は、ほとんどがアラビカ種で、パカマラ種やカトゥーラ種などの品種があります。
ホンジュラスのコーヒー豆の精製方法は、ウォッシュド(水洗式)が主流ですが、水資源の大量使用が環境問題になっているため、ナチュラルやハニープロセスなども試みられています。
ニカラグアでは、マタガルパ地域、ヒノテガ地域、ニューセゴビア地域などの高地でコーヒーが栽培されています。
ニカラグアのコーヒー豆は、ほとんどがアラビカ種で、カトゥーラ種やカトゥアイ種などの品種があります。
ニカラグアのコーヒー豆の精製方法は、ウォッシュド(水洗式)が一般的ですが、近年はハニープロセスも取り入れられています。
中米で栽培されているコーヒーの品種
一般的にはティピカ、ブルボン、カトゥーラ、カトゥアイなどが多く見られます。これらの品種はアラビカ種に属し、香りや酸味が豊かで、コーヒーの風味を楽しめると言われています。中米のコーヒーは、高地で栽培されたものが多く、清涼感や甘みが特徴です。
ティピカ、はアラビカ種の中でも歴史が古く、原種に最も近い品種です1。ティピカの中には、ブルーマウンテンやコナなどの高級品種があります。また、ケントやパカスなどの突然変異品種や、マラゴジッペやボウリボンなどの自然交配品種もあります。これらの品種は、ティピカの特徴であるマイルドな酸味とフルーティーな香りを受け継いでいます。
ブルボンは、アラビカ種の中の品種で、ティピカから派生したものです。ブルボンの中には、レッドブルボンやイエローブルボン、ピンクブルボンなどの色別の品種や、ブルボンポワントゥやブルボンマイスなどの形状別の品種があります。また、カトゥーラやカトゥアイなどの交配品種もあります。これらの品種は、ブルボンの特徴である甘みと酸味のバランスが良い味わいを受け継いでいます。
カトゥーラは、ブルボン種の突然変異種で、コロンビアやブラジルで人気の品種です。カトゥーラは他の新品種の親となることも多く、カトゥアイ種やカティモール種などが作られています。カトゥーラの特徴は、木が小ぶりで収穫量が多いこと、花や柑橘のような香りが豊かで、果実味のある甘味と軽やかな酸味があることです。
カトゥアイは、アラビカ種の中の人工配合品種の一つです。カトゥアイには、赤い果実をつけるレッドカトゥアイと、黄色い果実をつけるイエローカトゥアイがあります。カトゥアイは、生産量が高く、風や悪天候に強い品種です。カトゥアイから派生した品種としては、ブラジル マルクス イエローカツアイ、コスタリカ ロスアンヘレス、パナマ エスメラルダ農園のエルベロ リザーブやダイヤモンド マウンテンなどがあります。
カティモールは、カトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配によってできた品種の総称です。カティモールには、T-5175、T-5269、などの種類があります。カティモールは、さび病に強く、収穫量が高い品種です。カティモールから派生した品種としては、サチモール、ルイル11、マンデリンなどがあります。
T-5175は、カトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配種の一つで、カティモールのグループに属します。T-5175は、生産性が非常に高く、標高4000フィート以上の高地で栽培されると、カップの品質が良くなります。T-5175は、コスタリカやミャンマーなどで栽培されています。
T-5269は、カトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配種の一つで、カティモールのグループに属します。T-5269は、成長力が強く、年間降雨量3000ミリ以上で、標高が2000-3000フィートの地域に適しています。T-5269は、さび病に強い品種として開発されましたが、カップの品質はあまり高くありません。
サチモールは、コーヒーの品種の一つで、ティモール・ハイブリッド種とブルボン種の交配によって生まれたものです。サビ病に強い耐性を持ち、収量も高いという特徴があります。サチモールは、中米や南米のコーヒー研究所で開発されたF1ハイブリッド品種のひとつでもあります。味わいは、酸味や甘みがやや弱く、苦味が強いと言われています。
パカスは、エルサルバドルで発見されたコーヒーの品種です。ブルボンの突然変異種で、木の高さが低く、収量が高いという特徴があります。酸味と甘みがバランスよく、フルーティーな香りがすると言われています。
中米のコーヒーの原種
コーヒーの原種とは、コーヒーの歴史の中で最初に発見された品種のことを指します。コーヒーの原種には、アラビカ、ロブスタ、リベリカの三大原種があります。中米のコーヒーの品種で原種とされるものは、アラビカ種のティピカです。ティピカは、17世紀にイエメンからオランダに持ち出された苗木が起源とされています。その後、フランス経由で中南米に伝わり、多くの国で栽培されるようになりました。
後書き
今回の記事は如何でしたでしょうか?
書き始めこそ、どうしようと思い(別記事もあって薄い記事になるんではと)ながら進みだしたのですが、書いていくうちにどんどん広がりを見せ、ボリュームのある記事に仕上がりました♫
はやり、品種になっていくとどんどん膨れ上がりますね!
コーヒーへの関わり方、味方はいろいろんな角度があると思います。
歴史や品種、味わいやお店、抽出器具や焙煎機などの加工方法に至るまで。
皆様はどんな関わり方をしていますか?
この記事で、生活の一部となり、日々の数分のコーヒータイムがより良くなれば幸いです。
では。
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