新第三紀から第四紀の地球の歴史を学ぶ

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新第三紀(しんだいさんき、Neogene period)は、地質時代の区分の一つで、約2,303万年前から約258万年前までの時代を指します。新生代の第2の紀であり、古第三紀から続き、第四紀へ繋がります。新第三紀はさらに、中新世・鮮新世の2つに時代区分されます。

新第三紀に形成された地層を新第三系といいます。気候は、中新世中期までは温暖で、顕著な海進期にあたり、その後徐々に寒冷化しました。ヒマラヤ―アルプスなどの主要な大山脈の著しい隆起の時代にあたります。現在とほぼ同じ生物地理区ができました。動物界では古第三紀に比べて現在と共通する生物の種の増加が認められるが、植物界では古第三紀との違いは著しくありません。

中新世

中新世は新第三紀の一部で、約2300万年前から約530万年前までの地質時代のことを指します。
以下に、中新世の地球の環境、陸地の位置と規模、猿人類(ヒト科)の進化、および他の動植物の種類と生態系に関連する情報を解説します。

  1. 地球の環境: 中新世は、新第三紀以降から現在に至るまでの期間では最も気温が高い時代であり、一般的に温暖であったが、寒冷化は徐々に進行し、南極大陸には氷床が発達・拡大していました。中新世の終わりには氷床は大陸のほとんどを覆うようになっていました。これが更に地球を冷し、以降、氷河期が訪れることになりました。
    中新世の寒冷化の原因については、複数の要因が考えられています。例えば、インド・アジア大陸の衝突が起きて以来、新生代後期からヒマラヤ・チベット地域で大規模な隆起があり、それが風化量の増大をもたらし、その結果大気CO2量が減少したためと一般的にいわれています。
  2. 陸地の位置と規模: この時代の大陸はほぼ現在の様相でしたが、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸は離れていました。ヨーロッパのアルプス山脈と北アメリカのロッキー山脈で造山運動が始まりました。日本がユーラシア大陸から分離し、日本海が形成されました。
  3. 猿人類(ヒト科)の進化: 中新世は、ヒト科の祖先である猿人類の進化の重要な時期です。 この時期には、初期のヒト科であるアウストラロピテクス属やサヘラントロプス属が現れる彼らは、直立二足歩行を始め、歯や顎の形態が人類に問いかけてと考えられています。
  4. 他の動植物の種類と生態系: 中新世には、多様な動植物が豊富でした。 陸上では、ウマやラクダのような哺乳類が現れ、ネズミやウサギなど小型哺乳類も多様化しました。爬虫類も進化し、多様な種類が存在しました。海洋では、鯨やイルカ、サメなど海洋哺乳類が繁栄しました。

中新世は地球の生物の進化にとって重要な時代であり、人類科の祖先の進化や他の動植物の多様性が進んでいる時期です。

鮮新世

鮮新世は約500万年前から約258万年前までの期間で、新生代の第五の時代であり、新第三紀の第二の世です。

  1. 鮮新世の環境:気候は寒冷化しており、南極大陸は中新世よりもさらに氷床を拡大していました。北半球でも氷床の発達が始まっていました。ヒマラヤ山脈などの大山脈の形成、上昇が同時に激しい岩石の浸食を招き、これによって大量のカルシウム塩が海に流入していった。このカルシウム塩が二酸化炭素を吸収し石灰岩化していったため大気中の二酸化炭素量は激減していき、寒冷化の進行を促しました。
  2. 鮮新世の生態系:現代の動物相につながるものがほぼ出現しています。寒冷化に伴い、長鼻目(ゾウ類)などの中新世の温暖な環境で繁栄した生物は多様性を減少させていった。
  3. 猿人類(ヒト科)の進化:鮮新世には、類人猿をはじめとする霊長目(サル類)も全体的に生息域や多様性を減少させるも、その中から中新世末期にチンパンジーの祖先と分かれていたヒトの祖先(ヒト亜族)がこの時代に発展しました。これはいわゆる猿人です。
    石器の使用は、約280万年前に東アフリカに住んでいた「ホモ・ハビリス」(器用な人)という種が始めたとされています。これは鮮新世よりも後の時代です。

第四紀

第四紀は、地球の46億年にわたる長い歴史の中で、現在を含む最も新しい時代で、地球上に人類が進化・拡散し、活動している時代です。年代的には約260万年前から現在までの期間で、大きく更新世と完新世に分けられます。

他の地質時代が生物相の大幅な変化(特に大量絶滅)を境界として定られたのに対し、第四紀は人類の時代という意味で決められました。したがって、古人類学の進展に伴い次々に古い原人が発見されるとともに第四紀の始まる年代も変化していきました。現在ではヒト属の出現を基準とし、地質層序や気候変動を併用して決定しています。

第四紀より古い地層を、かつては三紀層と呼んでいたが、今では古第三紀・新第三紀に分かれています。

更新世

更新世は、約258万年前から約1万年前までの期間で、第四紀の第一の世です。そのほとんどは氷河時代でした。この前の鮮新世と合わせて鮮新・更新世として扱われることもあります。

更新世は、ヒト属が進化し、現生人類(ホモ・サピエンス種)も中期に出現しました。更新世の間にヒト亜族の大半が絶滅し、最終的に現生人類のみが生き残りました。

人類学者ケネス・オークリーは、1944年の論文で「ヒトが独特なのは道具を作る点だ」と書いています。見つけた物を道具として使う行動は類人猿にも見られると説明しつつ、オークリーは「特定の用途に合わせて棒や石の形を変えるのは、明らかにヒトだけだ」と述べています。

旧石器時代は、200万年前から紀元前1万年の間とされています。地質学的にいうと、人類が絶滅した動物と共存していた更新世に属します。また、ホモ・ハビリスが石で道具を作り始めた時期でもあります。

火の利用は100万年前程度からであるとされています。後の方の更新世の北京原人などは次第に洞穴に住まい、若干の言語を使っていたようです。ネアンデルタール人はマンモス等の狩りなどで石器も次第に高度なものとなり小屋を作って器具の加工、獲物の解体や火炉で調理をしていたようです。

更新世の間にヒト亜族の大半が絶滅しました。最終的に現生人類のみが生き残りました。
北京原人、ジャワ原人、ネアンデルタール人、ホモ・サピエンス・サピエンスなどがいます。

また、更新世の終わり頃から、大型の哺乳類の絶滅が始まりました。特に北米大陸で顕著だったとされています。

恐竜は有名な絶滅種ですね。更新世の終わり頃から、大型の哺乳類の絶滅が始まりました。例えば、マンモス、スミロドン(巨大トラ)、ダイアウルフ(巨大オオカミ)、ホラアナグマ(巨大クマ)、アメリカライオン(巨大ライオン)などがいます 。

完新世

完新世(かんしんせい、Holocene)は、地質時代区分(世)のうちで最も新しい時代である。第四紀の第二の世であると同時に、現代を含む。かつての沖積世(Alluvium)とはほぼ同義である。最終氷期が終わる約1万年前から現在まで(近未来も含む)を指し、その境界は、大陸ヨーロッパにおける氷床の消滅をもって定義された。

完新世は急速な温暖化と海面上昇を特徴とする時代である。人類はこの時代の始めごろから農耕を覚え、温暖な気候のもと人口が急増し、文明が発達した。

更新世末から完新世初めにかけて、人類の直接の祖先であるヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)が世界規模で拡散する。人類の生活はそれまで、遊動しながらの狩猟(漁労)採集活動生活であったが、大きな川の流域などで定住農耕牧畜生活に大きく転換した。徐々に人類が文明を築き始めたことは人類史にとって重要な変化であった。

新石器時代(しんせっきじだい、英: Neolithic)は、完新世のうちのひとつの区切りである亜旧石器時代に続き、新石器革命を形成する耕作の発展によって開始したとされ、伝統的に石器時代の最後の部分とされる時代である。定義としては完新世に属すること、文化には精巧に制作された打製石器や磨製石器が確認されていることがあり、必ずしも農耕の開始と関連付けるものではない。ただし、西アジア・ヨーロッパ・中国では農耕や牧畜が始まった時期と当てはまり、最古のものは紀元前8000年、以降でも紀元前6000年から5000年までは遡ることができる。

完新世の初期には、大陸氷床の融解によって海面が130m以上急激に上昇しました。特に完新世の気候最温暖期と呼ばれる時代には、現在より3メートルから5メートルほど海水準(陸地に対する海面の相対的な高さ)が高かったとされます(縄文海進)。

スンダランドが海中に没し、現在のインドネシアやフィリピンなどに相当する地域がユーラシア大陸から分離して島となりました。ベーリング海に存在した陸橋ベーリンジアが温暖化の海進により水没し、北米大陸はユーラシア大陸から分離しました。

これにより、現在の世界地図とほぼ同じ大陸や陸地の構成が形成されました。

後書き

新第三紀から第四紀にかけての地球の歴史は、地球の気候や生物相、そして人類の進化において重要な変化が生じた期間です。

新第三紀(約2,580万年前 – 約258万年前)は、地球の気候と生物相に大きな変化がありました。初めのうちは比較的温暖な気候で、温暖な広葉樹の森林が広がっていました。しかし、後半になると気温が下がり、寒冷な気候が進行しました。この時期にはヒマラヤ山脈の形成が続き、陸地の隆起や海面の変動が起こりました。また、ヒト科の進化も進み、初期のヒト科種が出現しました。

第四紀(約258万年前 – 現在)は、氷河時代(アイスエイジ)が進行した期間です。気候の変動により、氷河が周期的に拡大と退退を繰り返しました。この時期には、ホモ・サピエンスの直接の祖先であるヒト科の種が進化し、道具の使用や火の利用、言語の発達などが進みました。

これらの時代の変化は、地球の環境や生物相に大きな影響を与えました。気候の変動は生物の進化や生息地の変化を促し、新たな種の出現や絶滅をもたらしました。人類も環境の変化に適応し、文化的な進歩を遂げました。

地球の歴史は多様で複雑であり、さまざまな要素が相互に関連し合っています。新第三紀から第四紀への移行は、地球上の生命とその進化、気候変動の影響、そして人類の出現と進化の重要な段階であり、現代の地球環境や生態系の形成につながっています。

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