ケニアのコーヒー品種について深堀りしてみよう

コーヒーの歴史や文化

はい、colorful beansです。

今回の記事は、ケニアのコーヒー品種にフォーカスして解説していこうと思います。

前回の記事、エチオピアのコーヒー品種にも繋がりますので、そちらの記事も見てもらえると嬉しいです♫

SL28やSL34

こちらについては、上のエチオピアで記載しておりますので、この記事では省略させて頂きます。

ルイル11の起原や特徴

  • ルイル11はケニアで開発された品種で、コーヒーさび病に強いという特徴があります。
  • SL28やSL34と比べると果実味は控えめですが、酸味や苦味のバランスが良く、コクや甘みもあります。
  • ルイル11はケニアのコーヒー生産量の約30%を占めており、最も普及している品種です。

ルイル11の起原・特徴の深層を覗く

ルイル11は、1970年代にケニアのルイル地区にあるコーヒー研究所で品種開発が始まりました。当時、ケニアのコーヒー産業は、サビ病や炭疽病という二つの重大な病害に悩まされていました。

サビ病は、コーヒーの葉に赤や黄色の斑点を作り、光合成能力を低下させる病気です。炭疽病は、コーヒーの果実に黒い斑点を作り、果肉や種子を腐らせる病気です。

これらの病気は、コーヒーの収量や品質を大きく低下させるだけでなく、農家の収入や生活にも深刻な影響を与えます。

そこで、コーヒー研究所では、サビ病や炭疽病に耐性を持つ品種の開発に取り組みました。その過程で、エアルーム系ルメスダンとブルボン系K7という二つの品種を交配させたものをさらにブルボン系SL28と交配させたものが生まれました。

この品種はルイル 1と呼ばれましたが、サビ病には耐性があったものの、炭疽病には耐性がありませんでした。そこで、ルイル 1とカティモールという品種を交配させたものが生まれました。

この品種はルイル 11と呼ばれ、サビ病や炭疽病への高い耐性を持つことが確認されました。1985年に正式に登録されたルイル 11は、ケニア政府や国際機関からも推奨されるようになりました。

ルイル11の最大の特徴は、開発目的の通り、サビ病や炭疽病への耐性を持っていることです。これにより、農家は農薬や肥料などの投入量を減らすことができます。また、植えてから3年という短期間でコーヒー豆の収穫が可能で、耐乾燥性が強く、高い収穫量が魅力です。さらに、高地でも低地でも栽培できる柔軟性も持っています。

ルイル11の欠点としては、コーヒーの風味や香りに関しては、他の品種に劣るという評価があります 。ルイル11は、優しい酸味と甘みを持っていますが、果実味や酸味は弱めで、コクや深みに欠けると言われています 。また、コーヒー豆の大きさや形も不揃いで、見た目にも美しくありません 。これらの理由から、ルイル11はスペシャルティコーヒーとしてはあまり評価されていません 。

ルイル11の現状と展望

ルイル11は、ケニアのコーヒー産業において重要な役割を果たしています。ケニアのコーヒー栽培面積の約40%がルイル11になっており、農家の収入や生活を支えています 。しかし、ルイル11は品質面での課題も抱えています。ケニアのコーヒーは、世界的に高い評価を得ているスペシャルティコーヒーですが、その多くは赤品種と呼ばれるSL28やSL34などの品種です 。これらの品種は、高い酸味や果実味を持ち、コーヒー愛好家から高く評価されています 。しかし、これらの品種はサビ病や炭疽病に弱く、収量も少ないため、農家にとってはリスクが高いです 。

そこで、ケニアでは、ルイル11をさらに改良した新しい品種の開発が進められています 。その一つがバティアンという品種です 。バティアンは、2010年に発表されたハイブリッド品種で、サビ病や炭疽病への耐性だけでなく、酸味や果実味も高めることを目指して開発されました 。バティアンはまだ普及率が低いですが、今後ケニアのコーヒー産業において重要な役割を果たす可能性があります 。

バティアンの起原や特徴

  • バティアンはSL28とティピカ種を交配して作られた品種で、ケニアで開発されました。
  • コーヒーさび病やコーヒーベリー病に対する耐性が高く、収量も多いというメリットがあります。
  • バティアンはSL28と同様にカシスやブラックベリーなどの果実味が豊かで、酸味や苦味も程よく感じられます。

バティアンの起原や特徴の深層を覗く

バティアンとは、ケニアで開発された新しいコーヒー品種の一つです。2010年に発表されたハイブリッド品種で、ケニアのコーヒー研究財団(CRF)が約30年かけて開発したものです。バティアンは、ケニアの伝統的な品種であるSL28やSL34と同じく、アラビカ種のボルボン系に属します。しかし、SL28やSL34と違って、サビ病や炭疽病などの病害に対して高い耐性を持っています。また、収量も多く、苗木を植えてから2年で収穫できるという早成性も備えています。これらの特徴は、農家にとっては大きなメリットです。

では、バティアンはどのようにして開発されたのでしょうか?バティアンの開発には、遺伝子組み換えではなく、自然交配と人工授粉という方法が用いられました。まず、サビ病や炭疽病に強い品種であるルイル11(Ruiru 11)とティムール(Timor)を自然交配させて、F1(第一世代)を作りました。次に、F1とSL28やSL34などの高品質な品種を人工授粉させて、F2(第二世代)を作りました。そして、F2からさらに優れた個体を選抜して、F3(第三世代)を作りました。このF3がバティアンです。

バティアンは、ルイル11やティムールから耐性や収量の高さを受け継ぎつつも、SL28やSL34から高い酸味や果実味を受け継ぐことを目指して開発されました。しかし、実際にはバティアンの風味は、SL28やSL34ほどではなく、ルイル11に近いと言われています。バティアンは、優しい酸味と甘みを持ちますが、果実味や酸味は弱めで、コクや深みに欠けると言われています。また、コーヒー豆の大きさや形も不揃いで、見た目にも美しくありません。これらの理由から、バティアンはスペシャルティコーヒーとしてはあまり評価されていません。

バティアンはまだ普及率が低く、ケニアのコーヒー栽培面積の約5%程度しか占めていません。しかし、今後ケニアのコーヒー産業において重要な役割を果たす可能性があります。ケニアでは近年、気候変動や土壌劣化などの影響でコーヒー生産量が減少しています。

また、サビ病や炭疽病などの病害も深刻な問題となっています。これらの課題に対応するためには、耐性や収量の高い品種の導入が必要です。バティアンは、そのような品種の一つとして期待されています。

しかし、バティアンを普及させるには、品質面での改善が必要です。バティアンの風味を高めるためには、栽培方法や精製方法などの工夫が必要です。また、消費者にとっても、バティアンの特徴や魅力を知ることが必要です。

K7の起原や特徴

  • K7はSL28と同じブルボン種から派生した品種で、ケニアで開発されました。
  • コーヒーさび病に対する耐性が高く、高地でも低地でも栽培できるという利点があります。
  • K7はSL28よりも酸味が強く、フルーティーな香りや風味が特徴です。

K7の起原や特徴の深層を覗く

K7とは、ケニアで開発されたコーヒー品種の一つです。1930年代にフランスのコーヒー研究所(IRCC)が、エチオピアから持ち込んだブルボン種のコーヒーをケニアで栽培した際に発見されたものです。

K7は、ケニアの伝統的な品種であるSL28やSL34と同じく、アラビカ種のブルボン系に属します。しかし、SL28やSL34と違って、サビ病や炭疽病などの病害に対して高い耐性を持っています。また、収量も多く、標高の低い地域でも栽培できるという適応性も備えています。これらの特徴は、農家にとっては大きなメリットです。

では、K7はどのような風味を持っているのでしょうか?

K7は、SL28やSL34ほどではないものの、それなりに高い酸味と果実味を持ちます。特に、レモンやグレープフルーツなどの柑橘系の酸味が特徴的です。また、甘みやコクもあり、バランスの良い味わいです。

しかし、K7は品質が安定しないという欠点もあります。栽培条件や精製方法によって、風味が大きく変わることがあります。また、コーヒー豆の大きさや形も不揃いで、見た目にも美しくありません。これらの理由から、K7はスペシャルティコーヒーとしてはあまり評価されていません。

K7はまだ普及率が低く、ケニアのコーヒー栽培面積の約10%程度しか占めていません。しかし、今後ケニアのコーヒー産業において重要な役割を果たす可能性があります。

ケニアでは近年、気候変動や土壌劣化などの影響でコーヒー生産量が減少しています。また、サビ病や炭疽病などの病害も深刻な問題となっています。これらの課題に対応するためには、耐性や収量・適応性の高い品種の導入が必要です。K7は、そのような品種の一つとして期待されています。

ケニアの品種を検索していると、Ruiru11(ルイルイレブン)赤品種 F1品種 のような記載をされているサイトを見かけます。そこで赤品種とF1品種についても解説をしていこうと思います。

赤品種の説明

  • 赤品種とは、コーヒーチェリー(果皮)が赤色に熟す品種のことで、ケニアではSL28やSL34などが該当します。
  • 赤品種は一般的に酸味や果実味が強く、華やかな香りや風味を持ちます。
  • 赤品種は高地で栽培されることが多く、精製方法によっても味わいに違いが出ます。

赤品種とは、コーヒーの果実の色が赤い品種のことです。赤品種には、ボルボンやティピカ、カトゥーラなどがあります。赤品種は、一般的に酸味や甘みが強く、香りも豊かです。しかし、病害に弱いという欠点もあります。

黄品種とは、コーヒーの果実の色が黄色い品種のことです。黄品種には、ムンドノーボやイエローボルボン、イエローカトゥーラなどがあります。黄品種は、赤品種よりも酸味が少なく、甘みやコクが強いです。また、病害に対しても比較的耐性があります。

赤品種と黄品種の違いは、果実の色だけではありません。果実の色は、アントシアニンという色素の蓄積によって決まります。アントシアニンは、日光や温度などの環境要因によって生成されます。

赤品種は、アントシアニンを多く生成するために赤くなりますが、黄品種はアントシアニンを少なく生成するために黄色くなります。アントシアニンは、酸味や香りに影響を与えると言われています。そのため、赤品種と黄品種では風味にも違いが出るのです。

私も学者ではないので、ここまで調査した結果、赤品種や黄品種と聞いて思い浮かぶ簡単な説明としては、レッドブルボンやイエローブルボンを想像したので、ピンクブルボンやオレンジブルボンを思い描き、桃品種や橙品種で検索してみると、それは無く、普通に果実の桃やオレンジでしたwww

しかし、コーヒーの果実の色は、赤品種と黄品種の2種類が主流ですが、他にも青品種や緑品種、黒品種などがあります。青品種は、アントシアニンをほとんど生成しないために青みがかった色になります。緑品種は、アントシアニンを生成しないために緑色のままです。黒品種は、アントシアニンを過剰に生成するために黒くなります。これらの品種は、赤品種や黄品種と比べて珍しいもので、風味や特徴はまだ十分に研究されていません。

ということで、青や黒はあった!!!

F1-Hybrid系品種の説明

  • F1-Hybrid系品種とは、異なる品種を交配して作られた第一世代(F1)の雑種のことで、ケニアではルイル11やK7などが該当します。
  • F1-Hybrid系品種はコーヒーさび病やコーヒーベリー病に対する耐性が高く、収量も多いという利点があります。
  • F1-Hybrid系品種は赤品種よりも果実味は控えめですが、酸味や苦味のバランスが良く、コクや甘みもあります。

Hybrid系品種の説明

  • Hybrid系品種とは、F1-Hybrid系品種をさらに交配して作られた雑種のことで、ケニアではルイル11やバティアンなどが該当します。
  • Hybrid系品種はF1-Hybrid系品種よりもさらに病害虫に対する耐性が高く、収量も多いという利点があります。
  • Hybrid系品種は赤品種やF1-Hybrid系品種よりも果実味は弱く、酸味や苦味も薄いですが、コクや甘みはあります。

ケニアのコーヒー品種には、Hybrid系品種として、ルイル11やバティアンなどがあります。ルイル11は、エアルーム系ルメスダンとブルボン系K7、SL28、カティモールを交配した品種で、ケニアのルイル地区で開発されました。バティアンは、ルイル11をさらに改良した品種で、2010年に発表されました。Hybrid系品種は病害虫に強く収量も多いですが、果実味や酸味は弱めです。Hybrid系品種の数は正確には分かりませんが、少なくとも2種類以上は存在するようです。

もう少し簡単に構成できると思ったんですが・・・まぁまぁ大変ですね。。。汗

そろそろ、終わろうと思うのですが、、、最後はこれまでにも幾つか出てきたカティモールについて、少し解説をして締めくくろうとおもいます。

カティモール品種について、起原や特徴について

カティモール品種とは、コーヒーの品種の一つで、アラビカ種とロブスタ種の交配種です。アラビカ種は高品質で香りや風味が豊かですが、病害に弱く、高地でしか栽培できません。ロブスタ種は低品質で苦味や渋みが強いですが、病害に強く、低地でも栽培できます。カティモール品種は、アラビカ種の品質とロブスタ種の耐性を兼ね備えた品種として開発されました。

カティモール品種の起原は、1950年代後半にポルトガルのさび病研究所 (CIFC) に持ち込まれたティモール・ハイブリッド種という自然交配種にあります。ティモール・ハイブリッド種は、インドネシアのティモール島で自然に生まれたアラビカ種とロブスタ種の交配種で、さび病に対する高い耐性を持っていました。CIFCでは、ティモール・ハイブリッド種とアラビカ種のカトゥーラ品種を人工的に交配させて、カティモール品種を作り出しました。カティモールという名前は、カトゥーラとティモールの合成語です。

カティモール品種の特徴は、以下のようなものが挙げられます。

  • さび病や根こぶ病などの病害に対する高い耐性を持っています。
  • 低地から中高地まで幅広い標高帯で栽培できます。
  • 収量が高く、早生性で成熟も早いです。
  • 枝が短く茂り、収穫しやすいです。
  • 豆の大きさは小さめで、平均的な形をしています。
  • 香りや風味はアラビカ種に劣りますが、苦味や渋みは抑えられています。
  • 酸味は弱く、甘みやコクがあります。
  • 品質は安定していますが、個性は少ないです。

後書き

ケニアのコーヒーは、アラビカ種の中でもブルボン種をルーツとする品種が主力で、フルーティな酸味と深いコク、華やかな香りが特徴です。

ここまで、予想もしてなかったぐらい、膨大な記事で複雑性のある記事になってしまいました(汗)

これがまたコーヒーの面白さでもありますし、これだからこそ複雑で面白い多種多様な味わいや香りに出会うことができます。

最後まで、読んでいただきましてありがとうございました。この記事で皆様のコーヒータイムに新たな1色が追加され、より良いコーヒータイムのお役に立てますと幸いです。

また次回の記事でお会いしましょう!

では。

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